猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

今すぐ対処しないとまずい訳じゃない疾患をわざわざ自費で検査してもらう物好きなんてそういない

先月の話なのに書くのが今頃になってしまったが、自分がやや好意的にウオッチ目的でフォローしている児童精神科医の姜昌勲氏のツイートから彼の運営している医療法人が大和八木駅前に開設しているカウンセリングルームを今月末で閉めて奈良市内にある彼のクリニックの本院と分院に事業を引き継ぐとの話が流れてきた。まあ本人発の情報なので確定情報なのだろう。
きょうクリいんちょうブログ : 「きょうこころのケアルーム」についての大切なお知らせです…
きょうこころのケアルームについての大切なお知らせです。 : きょうこころのケアルーム
個人的には姜昌勲医師、AD/HD傾向の強い広汎性発達障害だった事が三十歳過ぎて発覚した自分にとっては、AD/HDについての知識を世間一般に啓蒙して頂いている意味では「味方」の一人であるとは思っている。
しかし、彼が奈良から遠く離れた東京にてカウンセリングルームを開設し、さらにその後本院のある奈良市からもやや離れた大和八木にカウンセリングルームを開設したと聞いてメニュー内容をそこのサイトで見た時は、正直「姜先生、本を何冊も上梓するだけでは飽き足らなかったのかついに阿漕な商売始めたもんやな(震え声)」としか思えず、まあ外野の人間からしてみればこういう結果になったのは悪いが当然だろうとしか言えない訳で。
姜医師曰く今の倭人の国の精神科は初診の予約を取っても直ぐには診てもらえず数ヵ月待ちになる事が殆どであるとの事だが、これは実際そのようで自分が先月まで治療の為に通院していた精神科病院のスタッフ曰くここでも2ヶ月待ちだとの事で、自分の担当の臨床心理士の方にこれから通院する事となる精神科病院への転院の話を持ち掛けた時にはそう考えているなら主治医に話をした上で早めに動いた方がいいとアドバイスされたほどだ。(その後どうなったかはこちらのエントリに書いた。)
それは仕方ない、待つしかないんだな、というのに対し「それはどうかな?」というのが姜医師の見解らしい。
予約待ち期間が長い医療機関は、信頼出来るのかどうか。 : きょうクリいんちょうブログ
言わんとしたい事は解る。しかしそれが正しいのかどうかは自分は保留せざるを得ない。
因みに自分の場合は病名不明の状況で前の精神科での予約から初診まで約2ヶ月、そこから後日実施された心理検査を経て当時の主治医からAD/HDという病名を告げられて「何ですかそれ???」と思ったのがその次の診察の時だったかその次の次の診察の時だったのかはっきりとは覚えていないが、割と早い時点で診断が下りた記憶がある。但し今から3年近く前の話につき現行の心理検査よりも検査内容が少なく、当時は検査自体1日で終了し更にいうとその精神科ではバウムテストとロールシャッハテストは実施されなかった覚えがある事を断り書きしておく。まあそこから5年以上も前に某私立大附属病院の精神科を受診した際は行くのが億劫だった上に、診察当日に家を出るのが遅くなって診察予約時間に遅れるとなると病院に行く気が失せ、別の日に診察を変更してもらうにも今度は仕事のスケジュールとの兼ね合いが取れず、何とか診察に行く事が出来ても医師からは病名が何であるかを言われないままデプロメールを処方され、当時の自分には精神科で処方される薬に対する恐怖心もあってちゃんと服用しなかった上に、やはり処方された薬飲まないとなと思ったら自分の知らないうちに初診予約を取って精神科の受診を進めてくれた筈の連れに「薬は害だから飲むな」と言われるわで、一体どうしろという事で最終的にブチ切れて数ヵ月で通院を止めてしまったという苦い経験があるだけに、病名の診断を早く出せ、という気持ちになるのは分かる。
だからと言って待たずに心理検査出来ますが全額自費で1万円出してくださいねと、言われたら普通に精神科や心療内科受診して保険適応内で収めた方が無難だよなあとも思う訳で。但し、医療機関次第では心理検査の為に数回通院する必要が出て来るかもしれないが(今年に入り転院した精神科がそういう事をやっていた。理由は知らんがまあ一度に実施するよりも気分的な面での負担は楽なように思えた)。

大体、AD/HD始めとする発達障害って今すぐ対処しないと直ちに生命に別状をきたすとかいう疾患でも無い(と言うか本人の不注意が元で不運にも……いう状況は治療しようがしまいが起こる)訳で、初診が数ヵ月先になっても、その後まあ何とかなるかと思えなくも無く、これはかつての自分がそうだったのだが本人に病識がなく更に精神科受診に抵抗があるなら尚更そう思うどころか「余計なお世話」と思うんじゃなかろうか。まあそれで「たまったもんじゃない」のは本人よりも本人の周囲だろう。
では医療機関による心理検査を経て医師がAD/HDであるとの診断を下し、治療を開始したところで直ぐに目に見える形で本人の病状が良くなるかというとそういう事にはならない訳で、治療を開始しても周囲が今まで通りなら尚更良くなる訳がない疾患なのだ。まあそういうのを果たして疾患扱いしていいのかという話もあるがそれに関しては自分は今の所明確に答えうる程の見解を持っていないし多分今後もそういう見解は持てないだろうと思っている(但しお上までが流布に努めたおかげで倭人の国の教育現場に浸透してしまった発達障害は保護者の教育次第で治るとか吐かす某トンデモ説は全否定させてもらうし、発達障害は食い物のせいなのでそれに気をつけたら治るとかいう話も今のところ与太話として扱わせてもらう)が、「まあAD/HDかもしれんからってそんなに焦るな。」というところか。
これは前途の自分の担当の臨床心理士が言っていた事だが、「診断を待てない、という気持ちがあるのはヤバい。」と。これは姜医師が好んで使っている「ぼちぼち」に通じる話だと思うのだが、だったら姜先生もわざわざ診断を待てない人向けのメニュー用意せんでもと……