猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

再・オチはATSか……(だけじゃないかも)

2週間以上前の話を今更するが、この事故の件はやはり昨年11月の西宮車庫でのポイント破損&脱線事故同様に「どうしてそうなった!?」というか。まあ重大な事故なんてのは大概そんなもんだとも言えるけど。
取り敢えず、その事故を報じた読売と朝日の記事を。まあこの2つがそこそこ詳しいようにも思えたので。

阪急電鉄の回送電車、川西能勢口駅で信号無視 ATSも解除‐YOMIURI ONLINE(読売新聞)
18日午前7時35分頃、兵庫県川西市栄町の阪急宝塚線川西能勢口駅で、構内の引き込み線に止まっていた回送電車(8両)の男性運転士(44)が、赤信号を見落として発車し、自動列車停止装置(ATS)が作動して電車は緊急停止した。しかし、運転士はATSを手動で解除して再発車させ、切り替わっていないポイ ントを壊して本線に進入したところで誤りに気付き、急停車させた。客は乗っておらず、運転士にもけがはなかった。阪急電鉄は、重大な事故につながった可能性があるとして、国土交通省近畿運輸局に事故を報告した。

阪急電鉄によると、事故の約1時間前に、宝塚線に乗り入れている能勢電鉄日生中央駅兵庫県猪名川町)でポイント故障があり、信号が赤のまま変わらなくなるトラブルが発生した。このため、阪急は、日生中央駅—梅田駅間の特急を運休することを決めた。

信号無視をした電車は、特急用として川西能勢口駅で待機していた。トラブル後に回送電車となり、車庫に戻そうとして事故を起こした。進行方向には同駅のホームがあり、別の電車が停車していれば、衝突する危険もあったという。

事故とトラブルで、阪急宝塚線能勢電鉄は計181本に運休や遅れが出て、約8万人に影響した。


回送列車が信号無視 ダイヤ乱れ8万人影響 阪急宝塚線‐asahi.com(朝日新聞社)

18日午前7時35分ごろ、兵庫県川西市阪急宝塚線川西能勢口駅で、引き込み線で待機していた回送列車(8両編成)が車庫に戻るため宝塚線に入ろうとしたところ、赤信号を無視して開通していないポイントに進入した。列車はポイントを壊して停止した が、乗客は乗っておらず、運転士にもけがはなかった。

阪急電鉄によると、ポイントの手前で自動列車停止装置(ATS)が作動して自動停止したが、運転士はATSを解除してポイント内に進入した。運転士は「信号を見落とした」と話しており、ポイントに入れると認識していたとみられる。同社は重大な事故につながる可能性がある「インシデント」に該当するとして、近畿運輸局に報告した。同社によると、川西能勢口駅と接続する能勢電鉄日生中央駅兵庫県猪名川町)で18日午前6時半ごろ、ポイントが切り替わらないトラブルが発生。事故を起こした回送列車は、能勢電鉄阪急宝塚線を直通運転する梅田行きの特急列車として運行される予定だったが、 このトラブルに伴い運休が決まり、車庫に戻ろうとしていたという。

午前11時現在、宝塚線は上下13本が運休、70本が最大で70分遅れた。能勢電鉄の運休や遅れを含め、約8万人に影響が出た。

要は、まず日生中央駅の方でポイント故障が発生し、川西能勢口駅構内で待機していた日生中央発梅田行きの特急(日生エキスプレスの事か)に充てられる筈の列車に一度平井車庫に戻るように指示したものの、列車の運転士が赤信号を見落として入れない筈のポイントに誤進入、ただそれも単に見落としたとかいう話じゃなくて素で進入可と勘違いしたのか、ATSが作動したにも関わらずわざわざ切って進入し案の条……というのが事故の概容。
で、これが昨年11月の西宮車庫でのやらかし同様、赤信号見落し+ATS作動にも関わらず解除した事による事故という訳で近畿運輸局が警告書を出す事態に、という事を神戸新聞が報じ、47newsにも転載されていた。

ポイント破損事故、阪急に警告書 近畿運輸局‐47NEWS(よんななニュース)神戸新聞記事はリンク切れ)
川西市阪急宝塚線川西能勢口駅で18日朝、回送電車の運転士が赤信号を見落としポイ ントを破損させた事故で、国土交通省近畿運輸局は同日夜、阪急電鉄に対して警告書を出し、原因究明と再発防止策を講じ、運輸局に報告するよう求めた。 近畿運輸局は事故後、 現地の調査や阪急からの聞き取りを実施した。阪急では昨年11月にも神戸線の西宮車庫で運転士が赤信号を見落とし、電車がポイントで脱線する事故が起きており、短期間で同様の事故が続いたことを問題視した。

しかし所詮部外者でしかない自分ですら個人的に謎なのが、何で通常と違う運用に急遽充てられる状況がでた時は場合によってはATSを切っていいなんて対応になるのかなと。
この話をJR西の下請けで働く身分である自分の連れに振ってみたところ、普通はATSは勝手に切れない筈だし、切るにしても運転指令の許可がいる筈ではないのかと彼もまた疑問に思っていた。まあその時は自分も彼も、阪急の運転指令が能勢電でのトラブル発生もあってたまたまテンパっていたかして運転士と無線のやり取りが上手く出来てなかったんじゃないのか、という、かなり失礼な憶測で話が終了した訳だが、結局の所は当事者でないと判らない話だろう。
ただ、正直な所この事故は阪急におけるATS作動時の対応手順そのものの問題のような気がしなくもない訳だが、どうなのだろう。

因みに、下のリンク先のブログ記事では事故後の駅員の対応も結構gdgd気味だったらしいが、何もこれは阪急ばかりに限らんか。
《1月18日の阪急宝塚線トラブル(>_<)‐fuminの映画な日々 http://ameblo.jp/fuminiclub/entry-11139021030.html》(因みにリンク先記事内にYoutubeにupされている事故後の復旧作業の様子を撮影した動画へのリンク有がある。)

あとこれはおまけだが、事故概容のやや詳しい説明と事故発生後の川西能勢口での復旧作業の様子を写真に撮ってブログ記事にしていた方がいたのでそちらのリンクも貼っておく。
阪急宝塚線 池田〜宝塚間運転見合わせ時と修繕工事の様子‐C6218shの北摂鉄道情報局・SCRC大阪支部