質疑応答始まってすぐ野球の話〜狂気の阪急阪神株主総会2011〜

先日阪急阪神HDの株主総会があったが、また今年のそれも例年の如く日本の大手スポーツメディアに取り上げられていた。
で、今年の株主総会は半珍のチーム成績がリーグ開幕当初から期待された割に案の定最下位かＢクラス確定間違い無しという、阪神ファンでない者にはヒジョーに笑える事態になっているだけにかなりネタ臭い、というかどうみてもネタだろとしか言い様がない、珍ヲタ言うところの「暗黒時代」の頃の旧阪神電鉄の株主総会を思わせるものになったようだ。それ故に西日本地域版のスポーツ新聞各紙（但しスポーツ報知除く）では一面で取り上げられたのでコンビニや駅売店で目にして印象に残った人も多いのではないかとw
《虎株主糾弾！オーナー＆監督＆金本‐デイリースポーツonline http://www.daily.co.jp/tigers/2011/06/17/0004179763.shtml
　(前略)ダルビッシュ撃ちから一夜明けの株主総会。だが、結果は例年にない“大荒れ”となった。株主から経営陣への質疑に入ると、阪急電鉄や宝塚歌劇への質問に続き…３番目に指名された年配男性株主が「真弓監督の続投に関しておうかがいしたい」と切り出した。
　まずは、右肩棘（きょく）上筋断裂による守備不安を抱える金本を、左翼起用する指揮官の采配に疑問を呈した。 「使い続けるのは、どうしてもおかしい。数字に表れないエラーがある。打っても、守備で失う得点が多いことを忘れ てはならない。今年、守備だけで５点は防げた」
　今季の戦況をかなり詳細に追っている様子。
　「浅井や関本ら中堅クラスの選手を使い切れていない。選手に不満があるのでは。ベンチがマルマルやから野球でけ へんと思っているのではないか」と、ＯＢ江本孟紀氏の“名言”を引用して追及した。
　さらに、壇上の坂井オーナーに向け「選手でなく監督、コーチを補強してはどうか。積極性のない監督を３年も続投させている坂井オーナーは辞職されたらどうか」と過激に迫ると、４４１６人が集まった場内から異例の拍手が起こった。
　これに同社役員として回答に立った南球団社長は「ふがいない戦いぶりで株主の皆様にまでご心配をかけ、申し訳ありません」と謝罪した。「監督１人ではなく、フロントの責任もございます。まだシーズンは１００試合近くあり、皆このまま終われないと思っております」と釈明した。
　だが、これで納得できない別の男性株主からも真弓監督体制に関する質問が…。ベンチで笑顔がみられることにも不 満の意を示し「試合後のインタビューでも、打てなかったとかでは我々が考えることと同じ。監督としてのしっかりし た意見がほしい」と求めた。
　再び南球団社長。「また監督問題でございますが契約に関する回答は控えさせていただきたい。ここで何を申し上げ ても、あすのスポーツ新聞が大騒ぎになります」。これに場内が爆笑し、ようやく虎糾弾はやんだ。(後略)　(２０１１年６月１７日)》
今年の梅芸で吊し上げを喰らったのは球団社長南信男よりもむしろ球団オーナーでもある坂井信也wまあ当然だろう。彼の電鉄社長時代になんば線への近鉄特急乗り入れの話が進まなかった責任は小さくはないだろうし……と思ったら、どうもその話は株主側も問題にしなかったようで、では球団以外の事に関する話はどうだったのかと言うと、
《阪急阪神、グルメ杵屋株主総会　震災影響　質問と陳謝‐産経関西 http://www.sankei-kansai.com/2011/06/17/20110617-054147.php
　(前略)梅田芸術劇場（同市北区）での阪急阪神ＨＤの 総会には、約４４００人の株主が出席。株主からは東日本大震災を受け、高架橋などの耐震強化に関する質問があり、ＨＤ傘下の阪急電鉄の寺田信彦常務が「阪神大震災以前に建てられた構造物は、国土交通省令に基づき順次補強している」と答えた。関西電力からの節電要請に関する質問はなく、２時間１８分で終わった。(後略)　（2011年6月17日 08:38）》
311の影響を受けて阪急線の高架部分の耐震性の件と、上のデイリースポーツの記事の内容から昨年阪急側の非を認めた上での和解という形で決着した宝塚音楽学校の不当退学問題をはじめ何かと問題を抱える宝塚歌劇団関係の件……って、それだけかよｗｗｗ
ちなみにスポーツ報知大阪版の記事には今年の阪急阪神株主総会の様子がもう少し詳しく書かれていた。
《株主総会で真弓監督＆坂井オーナーに退陣要求！…阪神-スポーツ報知大阪版 http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/baseball/npb/news/20110617-OHO1T00038.htm
　(前略)４４１６人が出席した株主総会で、メガトン級の質問が飛び出し た。質疑応答に入って１５分後だ。グループの経営問題などそっちのけで、ある中年男性が不振のチームに“剛速球”を投げ込んだ。
　「真弓監督の続投についてお伺いします」と切り出すと、返す刀で金本の起用法をバッサリ。 「あの守備、スローイングは阪神ファンに失礼ではないか。バッティングにしても、たまに打つ ことよりも、守備で失う得点の方が多いことを忘れてはいけない。浅井選手を使っていれば、守備だけで５点は防げた」と、右肩痛を抱えているベテランの使い方を舌鋒（ぜっぽう）鋭く批判した。
　怒りのマグマが頂点に達した同氏は、何と真弓監督と坂井オーナーに退陣を迫った。「積極性 がない監督を３年間、続投させて、どれほど迷惑をかけているのか。監督の力量の分からない オーナーは辞職されてはどうか！」と絶叫。会場からは“承認”の拍手が起こった。
　チームは前日（１５日）に日本ハム・ダルビッシュを打って借金を７に減らした。最高の形で 総会を迎えただけに、思わぬ突き上げを受けた格好だ。阪急阪神ＨＤの取締役も務める南球団社長は「ふがいない成績、戦いぶりで、株主様までご心配をおかけして大変、申し訳なく思ってい ます」と壇上で謝罪した。総会では発言しなかった坂井オーナーは、夕方に大阪・野田の電鉄本社で苦しい胸の内を吐露。「（真弓監督への信頼は）今さら言うことはないと思いますけど」と 異例のダメ出しにまいったのか、言葉少なだった。　
　不信任を支持したのは、１人だけではなかった。別の中年男性は「昨シーズン（終了後）、平田監督が２軍で優勝しているのに辞めさせられた。１軍は歴史的なＶ逸なのに、ここのところを どう思ってはるんですか。株主として、監督にふさわしいのは平田さんしかいないと思う」 と“ポスト真弓”に前２軍監督を推薦した。さらに「真弓監督はベンチの一番いい席で、ヘラヘ ラ笑いながら野球を見ているとしか思えない」とまで非難した。
　約１時間半の質疑応答で球団への質問は２つだけだったが、ファンの思いを代弁したとも言える。南社長はマイクに向かい「スポーツ紙の記者が大勢、来ていますので、この場で何を申し上 げましても大騒ぎになるので控えさせていただきます」と返答。この時だけは会場に笑い声が漏れたが、球団トップにとっては何ともつらい時間となった。(後略)》
質疑応答に費やされた時間は約１時間半、うち約１時１５分が阪神球団の件、それも真弓が監督を辞めるなら自分も球団オーナー辞めるとまで言った事のある坂井の責任にまで言及しているが、私が言うのもアレだが些か感情論がキツすぎて説得力がないような感じがする。というか昨年まで球団オーナー付シニアティブディレクター職だった星野仙一が北京五輪で大失態を演じたにも関わらずそれを批判しなかった連中が真弓明信批判など何の冗談かと言いたくなる程の噴飯ものの話だ。2003年以降の珍ヲタにとってはやはり1001批判こそがタブーなのだろう。でなければ真弓の後釜に星野のお仲間の平田勝男を推したりはしないだろうしw
監督・コーチを補強しろという話にしても、金本しかり、結果的に重度の身体面でのリスク抱えて引退した赤星しかり、北京五輪直前になって故障した新井兄しかりと、選手の力量を伸ばすどころか身体面でボロボロにしている事を考えたら突くべきところは監督やコーチの力量以上に身体面サポートのあり方やそれに関わる者の力量についてであろう。さらにいうなら擬似科学に過ぎないファイテン製品の広告塔に金本・下柳といった有名どころの選手がなっている事を許容している事を問題にすれば尚よいのだが……。所詮は科学音痴の日本社会の住人に過ぎない阪急阪神の株主達にそこまで要求するのはやはり酷だろうかw何しろ関西テレビの『あるある大事典』が放送されていた当時、データ捏造問題を起こす前から問題を指摘していた本が出ていたにも関わらず事が起きるまで看過したり、2003年の「星野フィーバー」の陰で当時球団コーチだった田淵幸一が血液型性格判断で選手のコーチングをしている件を批判しなかった方々であるだけにw（もし、それらの問題を質疑応答の場で取り上げられた株主の方がおられたら申し訳ない。）
最も、坂井珍也に辞めろコールをした株主は幾つかの媒体によれば球団監督への真弓の連続起用は阪神電鉄社員にとっても迷惑だとも言っていたようだ。ここではスポーツニッポンの記事から抜粋するが、
《阪神お家騒動ぼっ発!?！今年は株主から批判続出 ‐スポニチ Sponichi Annex http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/06/17/kiji/K20110617001033260.html
　一企業の株主総会で、傘下の球団人事を批判する異例の展開に。さらには「積極性のない監督を３年間も続投させたことでファンや球団職員、電鉄社員がどれほど迷惑していることか。坂井オーナーは監督の力量が分からないのなら辞職されてはいかがでしょうか」と任命責任に言及し坂井信也オーナーに辞職勧告。会場はこの日一番の拍手に包まれてしまった。》
だったら場が場なんだし阪急阪神発足後当初の株主総会の質疑応答で提案された阪急阪神HD社長角和夫を阪急側の人間である事の如何に関わらず球団オーナーに就けるべきという話を再び持ち出すぐらいしろよw坂井珍也が球団オーナーに留まっているのも角のオッサン以下阪急阪神HDのお偉方がそれでよしとしているからで、阪急側の人間が阪神球団の運営には関わらないというのが経営統合の一つの条件だったとは言えやっぱり何だかなーwと思ったが、私が当エントリを書く為にチェックした媒体の記事を見た限りではどうも今年の株主総会に出席した株主の中からそういう声が挙がったような気配はどうも感じられない。
結局、阪急阪神HDの株主は「阪急阪神」という組織に本業とメインの副業である公共交通インフラとその周辺の事業のあり方にもはや何も求めていないのかもしれない。「阪急阪神」以前、バブル経済崩壊と阪神淡路大震災による打撃がターニングポイントとなり創業者・小林一三の神格化をさらに進めて自らの行いの正当化を図ろうとしてきた阪急、かつて創業間もない時期に阪急との競争に敗れその後は野球ぐらいしか取り柄のない印象が付きまといそこから抜け出せなかった阪神の事、経営陣だけでなく株主の体たらくがこれなのもやんぬるかなという感じかw
株主が株主総会で傘下の球団のあり方に意見する事自体は決して悪くない。だがファンの愚痴と同レベルの事しか意見できないのであれば、その株主もまた不甲斐ない球団監督と心中する事しか頭にない球団オーナーやってる経営者同様、従業員にとっては迷惑な存在ではなかろうか。アホなのは何もベンチや球団フロントばかりではない。