猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

新阪急ホテルのバイキングで食中毒が発生してたらしい

関西では関西ローカルメディアによるバイキング料理の宣伝もあって多分そこそこ名前が知られている筈の大阪新阪急ホテル内のレストラン『オリンピア』だが、今月初旬に食中毒が発生し3日間営業停止したとか。
《大阪新阪急ホテルで食中毒‐産経関西産経新聞大阪本社公式ニュースサイト)http://www.sankei-kansai.com/2010/12/15/20101215-047273.php
 大阪市は14日、大阪新阪急ホテル(同市北区芝田)のレストラン「オリンピア」でバイキング料理を食べた11グループ計23人が下痢や腹痛などの食中毒症状を訴えたと発表した。全員快方に向かっているという。市は同日、オリンピアを3日間の営業停止処分にした。 (2010年12月15日 08:35)》
で、この産経関西の記事ではいまいち原因がよくわからんwという訳で大阪市保健局のニュースリリースを見てみる。
《食中毒の発生について(北区)‐大阪市健康福祉局 http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kenkofukushi/0000105329.html
  平成22年12月7日17時50分頃、大阪新阪急ホテルから食中毒の疑いに関する報告が、保健所北部生活衛生監視事務所にありました。
  その内容は、平成22年12月5日19時30分頃から「大阪新阪急ホテル オリンピア」を利用し、バイキング料理を喫食した客から下痢を呈した者がいるという届出が平成22年12月6日と平成22年12月7日の両日に各1件あったというものでありました。
  「大阪新阪急ホテル オリンピア」では、バイキング料理を提供しており、大阪新阪急ホテルに届出のあった2グループが利用した平成22年12月5日の同時間帯の利用客47グループ200名のうち、調査協力が得られた35グループ144名の調査を行ったところ、本日までに11グループ23名が、平成22年12月6日0時00分から平成22年12月6日13時00分にかけて下痢、腹痛等の食中毒症状を呈していることが確認されました。
  発症者11グループ23名の共通食は「大阪新阪急ホテル オリンピア」でのバイキング料理以外になく、その発症状況が類似していること、発症者3名の糞便からエンテロトキシン産生性のウェルシュ菌が検出されたことから、当該施設の食事を原因とする食中毒と断定し、株式会社阪急阪神ホテルズに対して、調理を行った厨房「大阪新阪急ホテル オリンピア」、「大阪新阪急ホテル 主厨房」、「大阪新阪急ホテル 和食厨房」、「大阪新阪急ホテル 白楽天」の4厨房について、本日から3日間の営業停止を命じました。
 なお、これら4厨房は、平成22年12月13日17時頃から営業を自粛しています。
 【発症者の状況】
  発症者数   23名〔男:8名(17歳から68歳)、女:15名(11歳から69歳)〕
   うち受診者はありません。
   ※ 発症者らは、ほぼ回復しております。》
ウェルシュ菌という細菌が原因だったらしい。どんな菌かというと、
http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kenkofukushi/0000105329.html
 【ウェルシュ菌
  人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布し、酸素を嫌う菌です。
  この細菌は熱に強い芽胞を作るため、高温で加熱調理をすることにより、他の細菌が死滅したとしても、ウェルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残ります。
  加熱調理した食品の中心部は酸素の無い状態になり、酸素を嫌うウェルシュ菌にとって好ましい状態になり、食品の温度が発育に適した温度(43℃から45℃)まで下がると発芽して急速に増殖を始めます。食品の中で大量に増殖したウェルシュ菌が食べ物とともに胃を通過し、小腸内で菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシンという毒素が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。》
ちなみにウェルシュ菌による食中毒症状は健康な状態にあった人の場合重症化する事はまずないらしい。
《ウエルシュ菌感染症感染症の話)‐国立感染症研究所 感染症情報センター http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k06/k06_33/k06_33.html
 ウエルシュ菌食中毒の潜伏時間は通常6〜18時間、平均10時間で、喫食後24時間以降に発病することはほとんどない。主要症状は腹痛と下痢である。 下痢の回数は1日1〜3回程度のものが多く、主に水様便と軟便である。腹部膨満感が生じることもあるが、嘔吐や発熱などの症状はきわめて少なく、症状は一般的に軽くて1〜2日で回復する。》
酸素を嫌う食中毒原因菌となるとボツリヌス菌が思い浮かぶが、検索するとどうやら2種類とも同じ科の同じ属に属する菌だとか。ただ、ヒトの体内で食中毒を起こす経緯は異なるとか。
しかしまあこのウェルシュ菌といいボツリヌス菌といい黄色ブドウ球菌といい、このテの加熱調理・殺菌消毒しても毒素あるいは菌そのものが消えずに中毒を起こす細菌ってのは、自然界のみならずヒトの生活圏内にフツーにいる訳で、その意味では「天然〜」「自然〜」を売りにしている食い物って、実は微妙にこわいよなあと思ってしまう。だってそういうのを売りにしてない「添加物だらけ」とされる食い物だって食中毒の菌が混入してしまったらそれ食べた人間が中毒起こす訳で……。