猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

なんば線は猛虎に引導を渡す夢を見るか?

まあ言ってるだけだろな感じは大いにするが、「阪神が優勝しないから関西経済が良くならない」という与太話を信じ吹聴して回っている珍ヲタはこの件をどう思ってるのだろうか? 開通までの経緯や開通後の運用など手放しで褒めることはできない阪神なんば線ではあるが、もたらされた経済効果はやはり半端ないらしい。
阪神なんば線 経済効果は1963億円‐神戸新聞 http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0002790934.shtml
 住友信託銀行大阪市)は17日、開通1周年を20日に迎える阪神なんば線について、近畿地区に及ぼした経済効果が1963億円に上る、と発表した。建設や設備投資を除いた観光、小売りなどへの波及効果は76億円とした。
 阪神電鉄への調査を中心に、神戸や奈良の観光客、沿線のテーマパークの来場者数などを基に算出した。南海電鉄や既存路線の施設への効果は含んでいない。
 駅舎や軌道の建設工事など設備投資による経済効果が1887億円。そのうち、建設工事に加え鋼材や運輸など関連業界に計1496億円をもたらし、雇用者所得の増加による消費効果は391億円となった。
 波及効果76億円のうち、観光面では神戸方面から奈良への観光客は5万4千人、逆方面は6万9千人と試算し、17億8千万円とした。そのほか、阪神沿線から大阪・ミナミへ出掛けた人による消費が18億9千万円、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどへの効果は14億4千万円だった。
 同行は「なんば線は今後も関西経済の底上げにつながるだろう。効果を大きくしていくにはイベントなどソフト面での仕掛けが必要」としている。》
阪神なんば線の経済効果、約2000億円弱。以前関大宮本教授が試算した半珍球団優勝による経済効果の金額を軽く上回ってますwww以下は宮本教授の名前で検索して挙がってきた2008年『世紀のV逸(笑)』の前の記事。
阪神日本一!…なら、経済効果767億円ナリ - i.asahi.com http://i.asahi.com/topics/OSK200809260053.html
 阪神タイガースが日本一になれば、近畿への経済波及効果は約767億円――。関西大学の宮本勝浩教授が26日、ちょっと気の早い試算を発表した。18年ぶりにセ・リーグを制した03年の1481億円には及ばないが、リーグ制覇した05年の643億円は上回る。》
2003年の異常な過熱振りは別としても、球団がもたらす経済効果などたがたが1000億円にも上らないという事で。その2003年の『星野フィーバー』さえ約1500億円弱となんば線のそれに遠く及ばない。
追記:そうなると大風呂敷を広げたくなるのが良くも悪くも昔からの阪神の体質というか(そしてそれらは殆どと言っていい程「空振り」に終わっているのもw)。しかも今は親会社の阪急も「ウチの路線に繋がる新線引いておこぼれよこせ。」と来たw
阪神なんば線、快走の1年──輸送収入、予想12%上回る‐日経ネット関西版 http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news008207.html
 阪神電鉄の坂井信也社長はなんば線とつながる路線の魅力を高める考えで、梅田駅と元町駅(神戸市)を結ぶ阪神本線周辺の開発に動き出す。開発余地のある土地を洗い出すために社内に特命チームを設立した。
 持ち株会社阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫社長は「(地下鉄四つ橋線の)西梅田から十三を経由して新大阪につなぐ路線が開業できれば経済効果を生み出せる」と力説。東西を結ぶなんば線に次いで、今度は南北の道筋作りを目指す。
 ただ1兆2千億円に上る有利子負債を抱える阪急阪神HDは11年3月期からの3カ年の設備投資額を2110億円と、その前の3年間から34%減らす計画だ。限られた予算でいかに多くの効果を引き出せるか。投資戦略が問われそうだ。》
角のオッサン、「十三連絡線まだ?」って……なにわ筋線じゃ物足りないのかよ(と言うか阪急の新大阪乗り入れ構想まだ捨ててなかったんかい)wま、『阪神なんば線フィーバー』が阪急の負債が元であるHDの一兆円超の負債を好転させるとは当然の事ながら到底思えないがw
追記2:もっとも、いくら経済効果があったといった所で、当たり前の話だが歴史的経緯によって出来あがった構造不況の前では鉄道新線開通の影響力など皆無な訳で。
《"大阪プロジェクト"効果は薄く 公示地価:産経関西産経新聞大阪本社公式ニュースサイト) http://www.sankei-kansai.com/2010/03/19/20100319-021795.php
 18日に発表された大阪圏の公示地価(平成22年1月1日時点)は、全調査地点で下落となった。中でも、シャープの液晶パネル工場が建設され、20年秋の“リーマン・ショック”までは地価の上昇が目立った堺市が大幅に下降し、21年3月に開通した阪神なんば線の沿線も効果が期待されたが、他地域同様に落ち込んだ。ともに大阪を代表するプロジェクトだが、地価の上昇につながっていないことが浮き彫りとなった。
 (中略)
 神戸と奈良を結び、今月20日に開業1周年を迎える阪神なんば線は建設・設備投資を含め2千億円近い経済効果も試算されるが、新駅の九条駅大阪市西区)近くの住宅地が7%下落となるなど地価に好影響は出ていない。
 同線の拠点でもある大阪難波駅周辺のオフィスビルの入居率も苦戦し、大阪ビルディング協会の牧野忠廣事務局長は「難波は新規募集が少ないので賃料は横ばいだが、空室率は増える一方だ」と、ため息。不動産業界からは「大規模開発をすれば地価が上昇する時代ではなくなった」と嘆く声が聞かれた。(藤原直樹)》
結局、一昨日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/nekotetumamori/mobile?date=20100317#1268834963後半)で触れた神戸の観光業界の「阪神あやかり」ビジネス同様、不動産屋のそれもあっさり終了しましたということでw