猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

阪神もまた『無倫理』でして

昨日のエントリの続きのようなもんですが。
《「前売り」バラマキ映画の放置こそが「国産」映画を駄目にした! - HALTANの日記
http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/mobile?date=20090718§ion=p2
 具体的に言えばつまりは、金券屋に並んでいる映画の前売り券はどこから来たのか? ということだよね。大々的な企業スポンサード映画以外でもしばしば金券屋に前売りが出ている現実をどう考えるべきか?→つまりはその前売りを「誰か」(何処か)が押し付けられたか「付き合い」で買ったかして巡り巡って金券屋に入ってきているわけだよな。そんで、金券屋にも辿り着かない、劇場にも「着券」しない前売りがその背後に膨大にあるらしいと・・・。》
この話で思い出したのが、阪神戦チケットの話。私がかつて阪神子会社にいたとき、会社の通達事項で阪神戦チケットの横流しが発覚したとして阪神電鉄グループ各企業に厳重注意を促す内容の通達があった。それを聞いた当時の私は、「えっ? 阪神戦のチケットなんて球団関係者が例えば某新聞紙とか某TV局とかの人達に結構横流ししてるんちゃうん!?」と思ったものだ。個人的にはそういうイメージがあったのだ(今でもあるが)。まあ、私のいたその子会社は電鉄のレジャー事業部(現EC事業部)とも球団とも阪神コンテンツリンクの球団担当とも距離があったので「そんなの関係あるかw」な話でしかなかったのだが。
まあ実際はどうなのかはわからない話だが、でも確か2003年の『星野フィーバ』の際、金券ショップで阪神戦チケットが正規のチケット代の倍以上の高値で販売されてたなんて話があった覚えが。ただそれが正規ルートで購入され、購入者が何等かの理由で金券ショップに売ったものなのか、それともそれ以外のルートで金券ショップに流れたのかは私の知る所ではないけれど。
実際、関西圏ではプロ野球シーズン中こんなのが日常茶飯事でして。
《デイリースポーツonline/8月のTG戦甲子園ロイヤル席招待の応募受付開始! http://www.daily.co.jp/information/top/0002098090.shtml
 デイリーから夏休みビッグプレゼント!甲子園ロイヤルスイート席から観戦する阪神-巨人戦(8月28日)に、1週間続く応募チャンスでペア4組をご招待します。》
とか。半珍の提灯記事書くデイリースポーツがこういう事やるのは驚くに値しないが、「阪神戦チケット プレゼント」で検索してみたらいい。デイリーやサンテレビ始めとする半珍寄りのメディアばかりじゃないぞw金券ショップのHPを除いても「どれだけ前売り券バラマキしてるんだよ半珍はw」という印象を間違いなく受ける筈。
それでもさばけないのか、グループ会社の『特典』として前売りチケットのバラマキを年間通してやるのが半珍のやり口だったりする。まあ阪神電鉄系(今は阪急阪神系)が普通それをやる場合、百貨店の福袋とか阪神航空の旅行プランの特典と言った「商品」のオマケとしての場合が多いのだが、それでもさばけないとなるともう電鉄子会社から直接「タダで」バラマキに走る。最近もこういうのが阪急阪神の公式ニュースリリースであったばかり。
《「2009 夏休みリスナープレゼント!コミュニティFMを聴いてタイガース戦チケットをGETしよう!!」ウィークを開催します 〜抽選で50組100名様に、8月11日(火)の阪神タイガース戦チケットをプレゼント〜 http://holdings.hankyu.co.jp/ir/data/GR200907133N2.pdf
ちなみにこれをやってるのが大阪西梅田のハービスに本拠地をおく「Be Happy! 789」ことエフエム・キタ。阪急阪神発足前から存在する阪神電鉄子会社だ。しかもこれ他のコミュニティFM局巻き添えなのかよw
《チケットプレゼント:阪神−中日戦 関西のFM局6社共同企画 - 毎日jp(毎日新聞)http://jig105.mobile.ogk.yahoo.co.jp/fweb/0719zMDljT0gIYQC/0?_jig_=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fkansai%2Ftigers%2Ftoratora%2Fnews%2F20090714oog00m050002000c.html&_jig_keyword_=%8D%E3%90_%90%ED%C1%B9%AF%C4%20%CC%DF%DA%BE%DE%DD%C4&_jig_done_=http%3A%2F%2Fsearch.mobile.yahoo.co.jp%2Fp%2Fsearch%2Fpcsite%2Flist%3Fp%3D%258D%25E3%2590_%2590%25ED%25C1%25B9%25AF%25C4%2B%25CC%25DF%25DA%25BE%25DE%25DD%25C4%26b%3D3%26trans%3D1&_jig_source_=srch&guid=on
 コミュニティFM放送局エフエム・キタ「BeHappy!789」(大阪市、周波数78・9MHz)が、今春開通した阪神なんば線周辺のコミュニティFM放送各局と共同で、夏休みの阪神タイガース戦チケットプレゼント企画を実施する。
 ほかに参加するのは、「FM aiai」(兵庫県尼崎市、周波数82・0MHz)▽「YES・fm」(大阪市、周波数78・1MHz)▽「ならどっとFM」(奈良市、周波数78・4MHz)▽「ハッピーFMいたみ」(兵庫県伊丹市、周波数79・4MHz)▽「FM HANAKO」(大阪府守口市、周波数82・4MHz)。
 阪神の後半戦奮起を願い、8月11日午後6時からの京セラドーム大阪(阪神なんば線・ドーム前駅すぐ)での阪神タイガース中日ドラゴンズ戦の内野三塁側特別指定席チケットを50組100人のリスナーに抽選でプレゼントする。》
てかこれ全部さばけるの?w勿論これが映画・観劇チケットのバラマキだったとしても同じだろうけど。大体コミュニティFMなんてどれだけの人間が聞いているんだか。
こういうチケットのバラマキやってる所みると、半珍の実質的な興行売上って大したものじゃないかもしれない。寧ろ赤字じゃないのと勘繰ってみたり。ただ半珍が他のプロスポーツチームと違う点はグッズの売上が興行面での売上をカバーしているところじゃないだろうか。まあそっちも昨年(あくまで『優勝グッズ』に関してのみ)公取委の制裁を受け、書面による契約すらグッズ製作業者と交わしてなかったとかロクでもない実態が明らかにされたけどw
こういう事態を阪神電鉄がほったらかしにしてきたのは、球団の売上があがれば当然電鉄の連結決算の売上が上がるから。実際阪神電鉄は2003年の売上を『過去最高益』としていたし、その事は村上ファンド問題の最中に阪神電鉄が発刊した『阪神電鉄百年史』にも書かれている。そういう事情があったから阪神村上ファンドに「球団の株式上場しろ!」と言われても応じなかったんじゃなかろうか。(因みに星野仙一も村上と同様の事を阪神に言ってたらしいが……。)
結局、HALTAN氏の昨日のエントリで、私が昨日のエントリで、
《『阪急の反骨』とは、突き詰めて言ってしまえば『反コンプライアンス』というより体制マンセーの上での『無倫理』》
と書いた事に関連して、
《「無倫理」映画会社としての東宝東映・松竹に関せば、60〜70年代に前売りのバラマキで映画が作れる→自社の興行チェーンも維持できる カラクリに気づいてしまい、それを誰も止めてこなかったんですよね。》
とありましたが、この事は阪神タイガース含めたプロ野球球団の経営システムも同様でしょう。