猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

311後の京阪電鉄佐藤茂雄が微妙にイミフな事を言っている件

ま、ソースが産経でアレなのだが、まあ関西私鉄史や関西私鉄各社のお偉の財界での立ち位置知ってる人ならこの程度の事はすぐに憶測出来る話ではある。
《節電 阪急・近鉄だけ「10%」要請内容の差は関電との距離? :産経関西 http://www.sankei-kansai.com/2011/06/24/20110624-054450.php
 関西電力が10日に出した昨年比15%程度の節電要請から24日で2週間。関電は管内の府県などに節電を求めるなか、鉄道各社には「節電による社会的影響が大きい」として、15%までは求めていないが、鉄道各社に対する要請の中身は異なっている。10% という数字を出すか、出さないか。そこには、関電や関西経済連合会との関係が微妙に影響しているようだ。
 関電は「要請の中身が違うことはない」とするが、各社から聞こえてくる中身は違う。近畿日本鉄道阪急電鉄がともに「10%程 度の節電を要請された」としているのに対し、その他私鉄3社(阪神電気鉄道京阪電気鉄道南海電気鉄道)は「具体的な数字を使った説明がなかった」(阪神)という。
 JR西日本も具体的な節電目標は示されず「運転本数の削減を含めた節電の検討を要請された」(関係者)だけだ。
 ここで気になるのが、各社の関西財界での立ち位置。関電の森詳介会長は関経連の会長でもあるが、近鉄山口昌紀会長、阪急の角和夫社長はともに関経連の副会長 に就任している。
 特に阪急と関電とは昔から関わりが深いことで知られる。阪急は明治43(1910)年、電車を走らせるための火力発電所水力発電所を使った電灯電力供給事業を開始。戦時中の配電統制令で、 関西配電(関電の前身)にその事業を引き継いだ。
 その結果、阪急(現阪急阪神ホールディングス=HD)の6代目社長、太田垣士郎氏は昭和26年 に発足した関電の初代社長になった。森氏は阪急阪神HDの取締役でもあり、阪急は節電要請を受けざるを得ない立場だったといえそうだ。
 京阪の佐藤茂雄(しげたか)相談役は大阪商工会議所の会頭を務め、南海の山中諄(まこと)会長 は5月まで関西経済同友会代表幹事を務めてきた。関西財界に影響力を持つ立場だが、経済界には節電要請に対する反発もあり、「関電にとっては本音ベースの話がしにくかったのかも」(私鉄幹部) との声が聞かれる。(後略)》
確かに阪急は昔から関電とズブズブではあるが、日本の十五年戦争開戦以降太平洋戦争開戦に向かう中での国による戦時体制への移行で、それまで自社路線の電力供給の為に有していた発電所を取り上げられたのは何も阪急だけの話でもないわけでwその意味では京阪も関電と無縁という訳ではない。(ちなみに阪急は小林一三が東京電灯の設立に関わった事から東電とも深い縁があり、故小林公平が東電記念科学技術研究所の評議員に名前を連ねていたり、かつて阪急の電力系統・信号系統の工事やメンテナンスに関わっていた阪急子会社・阪急電気工事は2003年に東電子会社の関電工に引き渡された後、社名を阪電工と変えて関電工の子会社になっている。)
それに京阪・南海ともに関経連所属企業であり両社ともお偉がメンバーとして名前を連ねて来たわけで、しかも佐藤前CEOは311後の事態を見てなぜか「日本の産業発展の為には原発は必要」という持論を展開している(というか、おそらく彼は311以前から積極的原発容認・推進派だったのだろう)。
電事連会長に関電・八木社長「原発事故収束へ最大限支援」‐産経関西 http://www.sankei-kansai.com/2011/04/16/20110416-051843.php
 大商会頭「安全神話 再構築を」
 大阪商工会議所佐藤茂雄会頭(京阪電気鉄道CEO)は15日の正副会頭会見で、関西電力八木誠社長の電気事業連合会会長就任について「東日本大震災原子力発電所安全神話が崩れた。もう一 度神話を作れるよう期待している。原発なくして日本の産業の発展はありえない」とエールを送った。(後略)(2011年4月16日 07:34)》
彼のこの色々微妙過ぎる発言は、ソースが産経だけにわざとこう書かれた可能性は高い。何しろ原発容認・推進派メディアの産経の事だしwただ佐藤前CEOはその後も基本的には積極的原発容認の考えを崩してはいない。
原発での電力安定供給を 関西経済界、関電に要望‐神戸新聞 http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004203949.shtml
 大阪商工会議所佐藤茂雄会頭や神戸商議所の籔本信裕副会頭ら関西経済5団体の代表らが24日午 前、大阪市北区関西電力本店を訪ね、八木誠社長に電力の安定供給を要望した。
 (中略)
 席上、大商の佐藤会頭は「原発再稼働など電力の安定供給に努力してほしい。中小企業への配慮もお願いしたい」と要請。これに対し、関電の八木社長は「重く受け止めたい。個々の事情に合わせて節電要請をしたい」と述べた。会談後、神商議の籔本副会頭は「関電には効果のある節電法を示してほしい」と話した。(松井 元、段 貴則)(2011/06/24 12:18)》
その意味では彼の言動は節電要請に対する不満はあっても関西圏の一部の自治体首長(特に橋下徹)のように関電と対立する言動をとっている様子ではない。寧ろ「中小企業への配慮」を盾にして、何としても原発を再稼働させたいと目論んでいる関電の味方についているのである。
それにしても京阪佐藤前CEOの「原発安全神話の再構築を」発言には正直かなりがっかりだ。以前私はこの人ただ者ではないなと評したが(*1)、何だそれを見事に裏切るような311後の彼の言動は。フクシマを招いた最大の要因は他ならぬその「安全神話」という意図的に創られた嘘だという事がわからないのか。「相楽利満」のペンネームで琵琶湖ネタの作品・エッセイを書いた事のある彼だが、今の彼にはもはや先日のもんじゅの部品引き上げ作業が破局的な失敗を迎えて琵琶湖の湖水が汚されればよかったのにという悪意しか向ける事ができない。原発を積極的に容認する発言をするのは勝手だし、実はその考え方のほうが正しいのかもしれない可能性までは否定しないが、いみじくも物書きのセンスがあるというならもっと気の聞いた事を言えなかったのかとw歳も歳だから仕方ないのか?
それはそうと、今や阪急と同じグループなのに関電から何も聞いてないってホントなのかね? 阪神w……ああそうか、寧ろ関電も阪急側から話が行くだろうから二度手間になるような事しなくてもエエわと思って特に何も言わなかったとも見る事が出来るかw

(*1)http://d.hatena.ne.jp/nekotetumamori/touch/20100116/1263634899