あとちょっとで『電車でＤ』に危うく手を出すところだった阪急電鉄

ちとタイムリーな話と関係しているので、この際書く。
以前のエントリ（http://d.hatena.ne.jp/nekotetumamori/20101024#1287941122）で同人漫画サークル・〇急電鉄作の『電車でD』について腐し気味にふれたが、昨日ﾂｲｯﾀｰにてその作品に関係した話のやり取りを、『ブログdeバーチャル駅長』阪急レンタサイクルブログのブログ主であるゆかり（@yukarilakkuma）氏と、「『阪神ナウ！』の辛い人」こと我らが阪急阪神ホールディングスの環境担当者・エ辛ジスト（@Amagaeru99）氏とで行った。
まあ元々は私が阪急レンタサイクルブログの記事タイトルに絡んでこういうコメント入れたのが発端なのだが。
《B面の「阪急電車」ストーリー‐レンタサイクルの達人、ゆかりが行く！（阪急レンタサイクル公式ブログ） http://www.ekiblo.jp/user/sp_yukari_renta/sp16/16842.html(コメントの一部のみ抜粋)
　　猫轍守衛さん
　（中略）
　ちなみに私がこのようなタイトルをつけた意味合いは
　今津線の南側も話題にすることで、
　「阪急電車のB面のストーリーは皆さまでご想像ください」ということでしたが、つっこまれますでしょうか（笑）
　厳密に言いますと、小説阪急電車には、大学生カップルの女性の下宿先として「阪神国道」の記述が出てきます。
　ゆかり 【2010-12-04 23:54:22】
　＞「阪急電車のB面のストーリーは皆さまでご想像ください」
　じゃあ何かといろいろ「そりゃないぜ!ｗ」な世界設定の『電車でD』がB面のストーリーという事で（爆）
　まああの藤原運転士や彼の同僚達のストーリーは、彼の所属先である宝塚線だけに止まらず、京阪線や遠くは京急線にまで及んでますが……（笑）
　しかしあの作品の世界は乗客も鉄道会社も狂気の世界の住人というか、もう何がなんだか……というかあの世界にＦさんみたいな方がいたら多分『ekiblo.』編集長なんてやってないんだろうなあと思ってみたり（爆）
　猫轍守衛 【2010-12-06 19:40:18】》
で、ツイッターでのやり取りがこちら。
《http://twtr.jp/user/yukarilakkuma/status/11719770319618048
　yukarilakkuma 今津南線新設ホームの写真も追加しましたhttp://www.ekiblo.jp/user/sp_yukari_renta/sp16/16842.html #nishinomiya》
《http://twtr.jp/user/nekotetumamori/status/11733045316952064
　nekotetumamori @yukarilakkuma 再びコメント入れました。個人的には『阪急電車』のB面は『電車でD』という事でｗ（って、そもそも今津線じゃない!!）》
《http://twtr.jp/user/yukarilakkuma/status/11739981806567424
　yukarilakkuma @nekotetumamori 検索して動画見てました。わらける》
《http://twtr.jp/user/nekotetumamori/status/11763300282933248
　nekotetumamori @yukarilakkuma あそこまで「何でもあり」だと笑うしかないですｗまさか同人ゲームになろうとはｗそういや辛い人のブログの過去記事で取り上げられてましたよ。原作読んだ阪急の中の人（某氏じゃないですよ）が大ウケしてしまったとか（おっと薮蛇ｗ）》(*1)
《http://twtr.jp/user/yukarilakkuma/status/11765790210531328
　yukarilakkuma @nekotetumamori 記事も見つけて読んでみました（笑）さすが辛い人、わかりやすい説明ですね。 》
《http://twtr.jp/user/Amagaeru99/status/11788198086709248
　Amagaeru99 @nekotetumamori 「電車でD」すか？昔阪急電鉄の法務担当がそのあまりのハチャメチャさを問題視し販売差し止め等の措置を検討すべく資料として原作を購入して読み始めたはいいもののハマってしまいすっかりファンになってしまった件？ 》
《http://twtr.jp/user/nekotetumamori/status/11801859157131264
　nekotetumamori @Amagaeru99 そう、その件です。その法務担当者の方が余計な事をしなかったおかげで原作者の「〇急電鉄」さん達は今まで作品出して来られている訳で（実際阪急側がどう出たかは知りませんが）。ある意味今話題の創作物に対する表現規制問題にリンクする話でもありますね。》
《http://twtr.jp/user/Amagaeru99/status/11815726675394562
　Amagaeru99 @nekotetumamori 阪急は結局なんもせんかったみたいですよ。正直ただのギャグやし。何の実害もないと思うし。東急が高知東急に異議申し立てて芸名替えさせた話なんて大人気ないなと思いますわ 》
（一連の会話の流れはhttp://twtr.jp/user/Amagaeru99/status/conversation/11815726675394562参照）
まあ東急の「大人げなさぶり」も結構問題なんだが、当ダイアリー的にこのｴﾝﾄﾘの主旨として問題にするのはかつて阪急が『電車でD』の出版差し止めを検討していたかもしれないという事。
私がなぜその話を知ってたかというと、他ならぬ『電車でD』に関して書かれたエ辛ジスト氏のブログの過去記事の以下の一文に目を通していたから。
《爆笑パロディコミック「電車でＤ」‐辛口環境担当「エ辛ジスト」のアンサスティナビリティ・レポート http://hanshin-now.com/blog/page.asp?idx=10008500&post_idx_sel=10019062 (*2)
　ちなみに、こういうムチャクチャなマンガが出ていると知った阪急電鉄の法務担当者が著作権、商標権等の保護やあんまりの危険運転の描写に伴う企業イメージ低下対策のためにまずは現状把握、ということでこのマンガを購入したところ、おもしろくてハマッてしまった、という逸話も残っているとかいないとか。》
阪急も所詮そういう会社な訳。なにしろつい最近（といってももう去年の話だが）ニコ動にUPされた鉄道ネタMADをニコ動運営に消去させたと思しき話もあった。これも過去エントリで取り上げた話だ。(*3)『阪急電車』というタイトルで「昼ドラ」あるいは「月9」並の当たり障りのない今津線の乗客の話を書いたら、阪急電鉄のみならず阪急阪神系の一部企業のバックアップ付きで東宝配給の映画を制作して貰える事になった有川浩は、冗談抜きに幸運過ぎるのだろう。
個人的には、同人系の創作物であからさまな個人情報を取り上げたもの以外の作品に公権力はおろか私企業が出版差し止めを行うという事態は非常にまずいと思っている。こういった事態は商業出版・同人の別関係なく存在していて、この『電車でD』の例みたいに看過されるか、あるいは良くも悪くも巧妙な法解釈によって出版差し止め認定されてきているので、今かなり話題になっている東京都の青少年育成条例改定の件は、それが実行される事自体がナンセンスどころか色々ダメな方向に向かうだけだろう。それは仮にいくら世の中の創作物が差別礼賛・DQN礼賛・トンデモ思考礼賛の作品に満ち溢れていたとしてもだ。そういった差別・DQN・トンデモ思考を批判する為の創作物もまた「表現の自由」で保護されなければならないのだから。
(*1)ちなみにここで「某氏」と呼んでいるのは、私の過去の『ブログdeバーチャル駅長』関連エントリで何度も登場している『ブログdeバーチャル駅長』サイト管理人・阪急電鉄藤井氏（http://www.ekiblo.jp/hensyu_bu/）の事。上記阪急レンタサイクルブログのコメント欄で「Fさん」とあるのも彼の事だ。というか『ekiblo.』内ではそれで通っている（コメント欄における本人のHNは「編集長」だが）。記事中の件の法務担当者は彼ではないので悪しからず。
(*2)『阪神ナウ！』はどういう訳かモバイル端末から直接アクセスするとトップページしか表示されないという携帯厨の自分にはツラ過ぎるサイト。なのでこのURLから該当のページにリンクしない場合はこの記事のタイトルで検索かけて探してほしいとしか……。
(*3)『今頃になって知った存在orz』http://d.hatena.ne.jp/nekotetumamori/20101021#1287676627