猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

I can't stand this indecision……married with a lack of vision!(*1)

多分、こういう事言うとあちらこちらから怒られるかもしれないんだけど。
《啓蒙の逆説とオタクの粘着‐HALTANの日記 http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/mobile?date=20090912§ion=p2
http://anond.hatelabo.jp/20090909050457
長いことほったらかしにしていたけど、一度私なりの見解を示しておくと、あの論争は要するに、
ホロコースト南京大虐殺といった非人道的行為にせよ、戦争という行為そのものにせよ、あるいは死刑執行にせよ災害救助に関わる者あるいは医療関係者によるトリアージにせよ、理由はどうであれ果たして『権力』の名の元に人命を奪う(あるいはそれに準ずる)行為を行う事が果たして許されるのか?
という問題提起として起きた論争じゃなかったのかと思う。
はっきり言っておくと、最前線の『現場』に立たされている者にそんな事考えている余裕なんか無い訳で、仮に自らの『任務』に疑問を抱いてしまうとその先にあるのは脱落するか最悪の場合淘汰されるかとして離脱せざるを得ない事態になってしまう事が多い。特に軍隊や災害救助隊の場合は「上司の指示に従わなかったら、最悪の場合待ち受けるは『死』のみ。」という認識(*2)で動いている訳で、悲しいかなまたそうでないと自らの『任務』を全う出来ない事が多い(作戦変更にも上司の指示がいるし、その提案が出来る人間も限られる)(*3)。そんな「余計な事考えるな!」と言われ続ける状況下で、『権力』の命令で任務を全うすべく軍隊が大量殺人を行い、その結果としての重責を取らされるは当然の帰結としても、同じく『権力』の命令で任務を全うすべく災害救助隊がトリアージを行って、それで助かる見込みのあった人間を殺したも同然になってしまった結果、隊員の重責を問われるとかいう事態になる事程やるせないものはないと思う。皮肉な事に何かあった場合一番気まずい思いを後々まで引きずるのは実際に行動に出た末端の奴らなんだよホント。
大体、戦場にせよ災害現場にせよ(特に自らのミスや過信や差別感情etcによって色々な意味で)「本当にどうしようもない」事態になる場合は、大概はその上司、或いはその上司の上にいる奴らがクソ過ぎるのでねwそんなクソな『指示者』を出さない為、或いは牽制する為にも、「理由はどうであれ果たして『権力』の名の元に人命を奪う(あるいはそれに準ずる)行為を行う事が果たして許されるのか?」という問いかけに基づく論争は十分やる価値はあると思うが。それが『学者』だの『評論家』だの言われる人達の『メシの種』であってもさwまあ「最前線の『現場』に立たされている者」の中には「何下らねぇハナシしてるんだコイツら!」とキレる事もあるけれど、グレーゾーンのままでほったらかしにされるくらいなら、論争してくれてもいいから少しずつでもアウトラインを「なるべく誰からもヒンシュクを買わない」内容にしていってくれた方が、見解に対する混乱が起きるのは仕方ないとは言え、最終的には『現場』に立たされている者にとってもいい状況になるんじゃないのかなとは思うけどどーよ?

(*1)エントリのタイトルはTears For Fears『Everybody Wants To Rule The World』の一節より借用。
(*2)実際戦場とまでいかなくても住宅火災の現場のニュース見てたら『災害』の現場ってのは死と隣り合わせの場所ばっかだという想像くらいつくでしょw
(*3)実はこれ、各種製品の工場の製造ライン作業も同様だったりします。