猫轍守衛の偽業務日報

訳あって暇人やってる、その昔似非鉄道趣味者だったクズの毒吐きブログ。虎もライオンもデカい猫だけど、文句ある?

『私鉄王国』ねぇ……。

昨日、ある資料の閲覧を目的に大阪企業家ミュージアムに行ってきた。ただ事前にそこの公式HP見る限り「もしかしたら公開されてないのかな?」と思っていたが、やっぱりそうっぽかったorzまあ、その資料の管理元が関西大学らしいし。
しかしああいうテの資料館というのは正直存在がウザったく思えて仕方ない割にツマランと行く前から思っていたが、実際行って見た感想もそんな感じだった。まあムリもないかw所詮大阪商工会議所プロパガンダだもんなあw
で、そのまま家に帰るのも難なので(大阪市交のノーマイカーデーチケット使ったからなあ……)大阪市立中央図書館に行ってきた。
そこで以前の日記(http://d.hatena.ne.jp/nekotetumamori/mobile?date=20090611#1244742186)でふれた原武史『「帝都」東京対「民都」大阪 思想としての関西私鉄』を読んだのだが、改めて読むと「なんだかなあ」という気がする。ある意味、勘違いジャップ識者が「日本の素晴らしさはヨソでめ認められている(いた)んだよ!」といいたいが為に引用してきた外国人の手によって書かれた日本論の本のような存在でしかないというか。
まあ、お陰で川島冷蔵庫辺りが好んで使う『私鉄王国』という言葉のを独り歩きさせるきっかけを作ったのは原武史かも知れないという事はよく判った。
《本書では、後述するように大正末期までにおおむね成立する関西地域の各私鉄沿線や、そこに広がる生活文化圏を、まとめて「私鉄王国」と呼ぶことにする。
 (中略)
 さらにいえば、この「私鉄王国」は、「帝国」に対する概念として用いられている。
 ここでいう「帝国」というのは、「帝都」東京を中心とするナショナルな領域のことであり、先に述べたような東京を中心として全国に広がる国鉄の線路が敷設された領域を指している。
(『「帝都」東京対「民都」大阪 思想としての関西私鉄』P27・P28より)》
という事は、この本における『私鉄王国』の立ち位置はどこかというと、関西私鉄(得に小林一三時代の阪急。てかこの本も逸山持ち上げ過ぎじゃヴォゲw)の商法が目論み通りライフスタイルにまで影響を及ぼした事で『鉄道』=鉄道省の管理下の路線、所謂『省線』(戦後は国鉄)という認識に至らなかった人々が続出したエリア、という事でいいのかな? けどこの直後の「天皇や皇太子が」どうこうとかいうくだりはこの時代以前から街道の整備されたエリアでは行幸がありゃ平伏するのがデフォだろ(江戸時代はその対象が『葵の御紋』だった訳だがあれも建前上天皇の臣としての『征夷大将軍』という肩書があってのもので。まあ京以外の地域の被支配層の人間にはその視点が皆無だったとも言えるが。)という気がするが。うーむ……。
ちなみに、大阪企業家ミュージアム、関西5私鉄の創業時代の各社トップの紹介パネルを列べて展示していたが、やっぱり小林逸山(一三)だけはいろいろな意味で他の4人と経歴が違い過ぎて思わずワロタがw